ピアノの表現の指導方法についてネットで保護者の悩みをよく拝見するのでそれについての話です。
とてもつっこんだ話になりますが、表現を❝教える❞か❝教えない❞かは先生や教室によって様々です。
これは、音楽大学でのレッスンでも先生によって違いますが、圧倒的に教えない方が多いように思います。
『え、教えないの?』
と思いますよね。
なぜ教えないかというと、表現は本人の感性の中にあるからです。そして、感性は日常の体験や共感から生まれます。マンガのように、演奏中に感性が広がるようなことはまずありません。
楽譜にはヒントが散りばめられています。譜読みをしていく中で、和音や旋律、リズム、奏法表記などから感動や変化を見つけていられるか、先生はほとんどわかります。それを表現する際に、方法に迷いや知らないことがあるときに先生は表現方法のヒントを与えたり、直接方法を教えたりすることで感性の伸びしろを見極めます。
❝教えない❞先生に❝教えてもらえない❞ということは譜読みが足りないと自覚します。
小さな子どもをレッスンに通わせている保護者が表現方法を教えてもらいない不満がネット上でもよく出ています。
そういった方の多くにコンクールが出てきます。
コンクールに出させたい保護者からすると、当然、表現方法を全て教えてもらいたいという思いは強くなるでしょう。
そういった方は、先生に『コンクールに出させたいです』と伝えることで❝教えない❞先生も教えてくれるでしょう。
しかし、小さな子どものためのコンクールは意味のないものが多いのも頭に入れておく必要があります。
これは私の考えですが、いい先生ほど❝時期が来るまでコンクールに出さない❞と思います。時期とは、十分に技術を身に付け、楽譜から読み取る能力が高まったときです。そういった頃は思春期を過ぎたあたりでしょう。その頃になって初めてコンクールを勧められたお子様は能力が年齢の平均以上に高まったと思っていいでしょう。
では、❝教える❞先生はどういった目的があるのか。
表現を教えることで❝気づけていないことを気づかせる❞ためです。また、初めて生徒さんが出会う記号や解釈などに模範例を示す場合も教えています。
さて、❝極度に教える❞先生もいます。その先生から教わった生徒さんは新しい曲に出会ったとき、無題の曲に出会ったとき、模範例の少ない曲に出会ったとき、先生より感性が部分的に秀でた場合(感性を表現する方法を知っていてコントロールできるのがピアニストやピアノの先生なので大きくなるとこういったこともあります)、その生徒さんは自分の感性に自信を持って表現できるでしょうか。
話がそれてしまいましたが、❝教える❞も❝教えない❞も指導方針です。そして、ほとんどの先生がそのやり方しかできないわけではないのです。
先生は預かっている以上、生徒さんを最大限伸ばすことを考えている方がほとんどだと思います。相性もありますから、もっと合う先生がいれば潔く紹介することも当然出来るでしょう。
方針に疑問を感じたら伝えてもらいたいと思っている先生がほとんどです。学校や幼稚園、保育園と違い接する時間が短いのでそういったお声は助かる先生が多いと思います。それで態度が悪くなる先生なら変えてもいいのかなと・・・
教室を変えようか悩んでいる方も、保護者だけで悩まず一度は先生と相談してみるとよいと思います。
当教室に乗り換えられる方は、ぜひそのままお越しください。笑
もし、記事を見て、第三者の意見として相談したいという方がいらっしゃいましたらお力になれるかどうかわかりませんが、お問い合わせページよりご相談ください。
ピアノが少しでも楽しめる楽器であることを願います。
ちなみに、当教室では本番の回数を多くとっています。最大1年間に3回出ることができます。
全て、生徒さんが出たいと言った場合に限ります。
本番へ向けた努力、本番での緊張、興奮、達成会、悔い、スポーツ同様に得られるものが多いと考えているからです。